ベストアルバム2017
■Vallis Alps『Fable EP』
オーストラリアのデュオ・Vallis Alpsが3月にリリースしたEPです。大好き。まるで絵具が滲むようなジャケットの通り、多幸感を、浮遊感を、美しく滲ませていくような。それでいてダンサンブルで、同時に切なくて、聴いていると涙が出てきます。
■Gorillaz『Humanz』
Gorillaz - Saturnz Barz (Spirit House)
3rdアルバムから7年ぶり、少し特殊な形態でリリースのあった『The Fall』から考えても6年ぶり、そんなGorillazの4thアルバムです。とはいえ、私は3rdアルバムが出てずっと後に好きになったくちなので、ずっと待っていた! というようなファンではないのですが、ただ3rdアルバム『Plastic Beach』は本当に大好きで大好きなアルバムだったので、新作も楽しみにしてしました。いろいろと思い入れもあって、3rdより好き、ということにはなりませんでしたが、今回も音が楽しい! 音が嬉しい! ノエル・ギャラガーの参加も嬉しいです。いつかライブも見に行きたいなあ。
■Larkin Poe『Peach』
Larkin Poe | Preachin' Blues (Official music video)
Larkin Poe、カッコよすぎませんか? Larkin Poeはギターヴォーカルのレベッカ・ラヴェルとスティールギターのメーガン・ラヴェルによる姉妹デュオです。元々は「ラヴェル・シスターズ」という、このお二人と他の姉妹を中心としたグループで活動していたらしいのですが、そこから二人だけのデュオとしての活動も始めたとのことです。それはともかく、まあ、動画を見てください。かっこいい。何がって、声がかっこいい、メロディがかっこいい、そして歌うときの、演奏するときの佇まいが、目配せが、歩み寄り方がかっこいい。驚きのかっこよさです。ジェリー・ダグラスの影響はもちろんのこと、曲を聴いていると、いろいろなロックンロールのかたちが見え隠れして、とても素敵です。余談ですが、インスタグラムも最高です。もはや写真集。
■Circa Survive『The Amulet』
Circa Survive - The Amulet (Official Music Video)
Circa Surviveの3年ぶり6thアルバム。これまでのアルバムと比べるとキャッチーな曲と呼べそうなものはさほどありませんが、相変わらず艶やかで奇妙な楽器隊に、アンソニー・グリーンの、強烈な激しさと超絶的な美しさを持ち合わせた歌声がはまりにはまっていて、いつも通り好きです。呪術的で、神秘的。綺麗。ジャケットも毎回同じアーティストが描いているのですが、シュールで、雰囲気も素敵。音楽やジャケットも含め、バンドがこちらに届けてくれるものの雰囲気が、いつもとても好きです。
■Weezer『Pacific Daydream』
お馴染みのWeezerです。アルバムを聴いていると、今までの作品とは違ってちょっとエレクトロな感触というか、オーガニックなサウンドとは別の印象が先走るんですが、それでも、こんなに甘いメロディを奏でているのですから、やっぱり敵いません。「QB Blitz」この一曲には本当にノックアウトされました。なんつーいい曲だ。
■Noble Oak『Collapsing Together』
最高。とにかく聴いてください。上手に言葉を操ることができないので、いつもいつも語彙が足りなくて困っています。悔しい。ただ、このNoble Oakに関しては「美しい」という言葉以外が出てこない。助けてください。例えば夢心地のような音色、青空を気持ちよく飛んでいるかのような音色、それらに重厚なコーラスワークが寄り添って、雄大な世界へと導いてくれます。本当に心地の良い音楽です。
■Cigarettes After Sex『Cigarettes After Sex』
やっぱり今年は、このひとたちが外せない、と思います。ちょっとThe Velvet Undergroundを思い出しました。退廃的で刹那的な空気。確かにダークな感触もあるけれど、ふわっと感覚が飛び上ってしまいそうな酩酊感もあって。とんでもない作品だと思います。
■Wolf Alice『Visions of Life』
Wolf Alice - Beautifully Unconventional
Wolf Aliceを初めて聴いたのは「Moaning Lisa Smile」という曲でしたが、本当に衝撃を受けて、すぐにEPを買ったことを憶えています。熱心に追いかけるまではいけなかったのですが、最近音楽のニュースサイトなどを巡っていると頻繁に取り上げられていて、いつの間にかめちゃくちゃ有名なバンドになっていてびっくりしました。今回の2ndアルバムは楽曲の幅がすごくて、正統派なグループサウンドをやったかと思いきや、暴れ回り叫び回るパンキッシュな曲もやったり、あるいは幻想的な楽曲もやったりと、なんだか一曲ごとに「違うバンドかな?」と思ったりするようなアルバムです。それが好ましくない、というひともいるでしょうが、私はとても楽しかったです。
■Tyler Burkhart『LOST DAYS』
When you go wrong - Tyler Burkhart
いや、本当に趣味がわかりやすいですね。このTyler Burkhartというミュージシャンのことは、実は今月になって知りました。すごくいいです。爪弾かれるブルージーな音色とメロディ。静かな部屋で聴いていたい。
■tacica『新しい森』
tacicaのミニアルバムです。いつも通り、いつも通りのtacicaです。歌詞がとても難しくて、わかりにくくて。でもとても幻想的で、聴き手の想像力に柔らかく切り込んできます。やるせないこと、哀しいこと、嬉しいこと。曲の内側に見えそうで見えない物語の中に、掴めそうな何かが隠れていて、寄り添いたくなるような。「群青」この曲が聴けて本当に幸せだと思いました。
■BUMP OF CHICKEN「リボン」
アルバムではないのですが、BUMP OF CHICKENは私の中で特別なので、特別扱いでいいのです。そして、この曲自体もとても特別なものです。この曲は確かに、バンド結成20周年という節目を意識して書かれた曲で、バンド4人の絆のことを歌っているのかもしれません。しかし歌われている「僕ら」は同時に、バンド4人と聴き手の私たち、あるいは、曲そのものと、曲と一緒になって歩いてきた聴き手の私たち、のことでもあると感じています。いつも力をくれてありがとうございます。BUMP OF CHICKENは私の光です。